高低差のある宅地に建築する場合の注意点

高低差のある宅地に建築する場合の注意点

対象不動産所在地、及び様々な法令や都市計画等によることが大前提ですので、予めご了承くださいませ。また、法改正等による変更等がある場合もございますので、こちらもご了承くださいませ。そのときの適切な公的機関等、ご自身でご確認下さいませ。

道路もしくは隣接地から建築予定地に高低差がある場合は、まず隣地境界擁壁の安全性に問題があるか否かを確認する必要があります。
安全性の担保が取れるのは、各行政に存する建築指導課に開発行為に関する検査済証もしくは工作物の確認申請による許可証の保管
があるかが重要になるかと存じます。

但し、上記書類の保管がなかったからといって、高低差がある宅地に建物を建築できないわけではありません。
安全性の担保が取れない擁壁に関しては、「安息角」検討をすることにより建築の許可を取得する事が出来ます。
安息角とは、一定の高さから粉体(土砂等)を落下させて、自発的に崩れることなく安定を保つ時に、形成する粉体の山の斜面と水平面との
なす角度を表します。

安息角に関する記事

簡単に説明すると、既存の擁壁が崩壊し土砂崩れを起こした場合に、建物に支障が無い距離を離す等の対策がなされて入れば良いのです。
安息角は、水平面より30度で計算します。
建築予定地よりも隣接地が低い場合は、低い側の隣接地より安息角を検討します。

安息角の検討範囲よりも建物を離して計画が出来れば何よりですが、検討する建築計画の配置上どうしても建物を安息角検討範囲よりも
離せない場合は、深基礎施工もしくは杭工事などの改良工事を行い、建物の荷重を支える支持層を安息角よりも下に設けることで建築許可
を取得できます。
但し、杭基礎などで安息角を検討する場合、2mの深さで安息角を回避できる場合でも、杭基礎を施工する場合の地耐力で支持層を計算する為、実際杭は安息角よりも深くなります。

安息角に関しては、比較的検討が簡単です。
少し難しいのが、建築予定地が隣接地よりも低い場合の逆安息角検討です。
逆安息角の場合は、対象不動産よりも高い位置にある水平面から安息角を検討をします。
建物の離隔距離を十分に確保できない場合は、安息角よりも上まで高基礎(安息角よりも基礎自体を高くする)にするもしくは防護壁を施工するなどの対策が必要になります。

ここで重要なのが、逆安息角の場合で高低差が2m以上ある場合、建築確認を申請する行政によりましては、工作物許可を取得できる構造で施工しなければいけないと指導がある場合ががあります。

安息角に関する記事

工作物許可が取得できる工作物の場合、防護壁自体の構造計算・施工位置の地耐力調査・施工位置の地盤改良を要する場合があり、これらが必要ない。防護壁よりもかなり施工費用がかかります。防護壁は本地もしくは隣地の地盤を支える通常の擁壁とは異なり、土砂崩れが起きた際の土留として施工する為、常に土圧を受ける工作物ではないので、細かな指導がある事は通常ありませんが、ごく稀に上記のような指導がある事があります。

また、逆安息角の場合で隣地擁壁の上に鉄骨造のテラスなどがある場合は、その工作物も崖の1部と見なされる為、水平面ではなくその工作物の上端から安息角を検討する為、実際の擁壁の高さよりもかなり不利な高さから安息角検討をしなければならない場合もあります。

擁壁に関してや安息角に関しては、建築分野での知識に分類されるため不動産業者の方でしたら、ご理解をされている方も多いかと存じますが。一般的には、相場よりも安価であることが多い為、仮にお勧めされた場合でも、後から予定していない予算がかかる恐れもありますので、事前に役所等の担当部署等に問い合わせること等、通常より少し慎重に検討する事が必要かと存じます。